ピクサーの「インサイドヘッド」を見てきたので極力ネタバレなしで感想を書いていきたいと思います。
あらすじ
田舎町に暮らす11歳の女の子ライリーは、父親の仕事の影響で都会のサンフランシスコに移り住むことになる。新しい生活に慣れようとするライリーの頭の中では、ヨロコビ、カナシミ、イカリ、ビビリ、ムカムカたちが、ライリーの幸せのためという強い気持ちが原因で衝突していて……。yahoo映画
映画の評価
私の評価
95点!
めちゃくちゃ面白かった!喜び、悲しみなどすべての感情が詰まった名作です。
11歳の女の子の頭の中が舞台
ピクサーの映画っていつも完成度が異常に高いから、見る前の期待値が否が応でも上がってしまいます。そして毎回その期待値を遥かに超えた作品を見せてくれます。
つまらない映画を作る才能がない集団。
それがピクサー。
今作のインサイドヘッドも期待値をはるかに超えた面白さでした。ほぼ完璧な出来といっても過言ではない。
主人公は11歳の女の子ライリーと彼女の頭のなかで擬人化された「ヨロコビ、カナシミ、イカリ、ビビリ、ムカムカ」といった感情達。
ヨロコビやカナシミといった感情達は彼女の頭のなかで、彼女の感情をコントロールしています。
例えば「ヨロコビ」が頭のなかの司令室に立つとライリーは「喜び」につつまれ、「イカリ」が頭の司令室にたつとライリーは「怒り」の感情に支配されます。
人間の感情って中々思い通りにならないですよね。泣きたくない時に涙がでるし、笑っちゃいけないときに笑ってしまう。そんな自分の思いどおりにならない「感情」の働きを面白おかしくコミカルに表現しています。
劇中のほとんどはライリー(主人公の女の子)の頭のなかで進んでいくのですが、その頭のなかの描写がとにかく見事!!よくこんな設定思いつくなと終始感心しっぱなしです。
一番身近にあるけれど、誰も見たことのない「頭のなか」という世界をイマジネーション豊かに描き出していきます。
必要のない感情はない
面白いのは「ビビリ」も「ムカムカ」も「イカリ」も皆ライリーの幸せのために動いているということ。カナシミでさえもそうです。皆ライリーの幸せのために動いています。
喜びだけの人生なんてつまらないし、怒り、悲しみ、恐れ、後悔、不安などといった感情があるから人生は輝けるんだってことをこの映画は教えてくれます。
ある意味でものすごく教訓めいた映画なんですよね。
そうそう。
私以前このブログで「失恋」したときの記事を書きました。
記事の中で失恋した時は泣くのをガマンしないで思い切り泣いた方がいいみたいなことを書いたのですが、まさにこの映画がそのことをドンピシャで伝えてくれています。
皆さん。失恋した時はこの映画を見ましょう(笑)
失恋から立ち直るヒントがたくさんつまった映画です。
否が応でも自分自身と向き合える映画
私この映画を見ていて一瞬ものすごく不安に駆られたんですよね。
あまりに感情移入していたからでしょうか。いや、感情移入というより完全に自分に置き換えて見ていたからに違いない。
作中にどう考えても「鬱」を描いたとしか思えないシーンがいくつかあるのですが、それを自分に投影してしまって……。
私は「鬱病」になったことはありませんが、「鬱」っぽい感じで凹むことはたまにあります(汗)映画を見ながらそとのきの得体のしれない「不安感」に襲われたんですね。
人間の頭のなかって楽しい思い出ばかりじゃない。辛いこと、悲しいこと、様々な思い出がつまっているわけです。
そのなかには思い出したくもないような出来事だってあるわけです。
この映画はそういった出来事を映画の中でオブラートに包みながらもどんどんさらけだしていくんですよね。私はライリーの心の中を見ながら、さも自分の心のなかを覗きこんでいるような感覚に陥りました。
この映画は頭のなか、それも感情を題材にしている以上、見ている人は自分自身と向き合うのは避けられないと思います。だからある意味とっても怖い映画ですよ。
なぜかドリカムが冒頭に流れる
そういえば映画が始まる前になぜかドリカムの曲がフルで流れます。しかもスクリーンには知らない人たちの笑顔の写真が延々と映しだされるという。
素敵な曲だとは思うのですが、私は映画を見に来ているわけであって、ドリカムの曲を聞きにきたわけではない。テーマソングを歌っているとはいえ、映画と直接的に関係のない映像を流して上映時間を長くするのはやめてほしい。
そういえば、アニーをみたときもエンディングで平井堅の曲が流れて、なぜ字幕版を見てるのにオリジナルの曲を流してくれないんだ!と憤慨したことがありますが、日本の映画配給会社は余計なことをせず、素直に映画を流してください。
まとめ
この映画。完全に大人向けだと思います。子供向けの殻を被った大人向けの映画。
酸いも甘いも色々なことを経験した大人こそが楽しめる映画であることは間違いない。
私的には今年見たい映画の中で確実にトップ5には入りますね。
超・超・超おすすめです!