【ネタバレなし】四回泣いた! 映画「くちびるに歌を」を見てきた感想・レビュー!

くちびるに歌を
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ネタバレなしで感想を書いていきたいと思います。

あらすじ
産休を取ることになった親友の音楽教師ハルコ(木村文乃)の代理として、生まれ故郷の五島列島にある中学の臨時教師となった柏木(新垣結衣)。天賦の才能を持つピアニストとして活躍したうわさのある美女だが、その性格はがさつで乗り回す車もボロいトラック。住民たちの注目を浴びる中、彼女はコンクール出場を目標に日々奮闘している合唱部の顧問に。そして部員たちに、課題として15年後の自分に宛てた手紙を書かせる。やがて、部員たちがつづった手紙から、それぞれが抱える苦悩や秘密が浮き上がってくるが……。

yahoo映画より引用

とりあえず一言。

四回泣いた。

とてもいい映画でした。オススメです!

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青春映画ドストライク!

どうでもいい話ですが、最近は涙腺が弱くて、すぐ涙がでてしまうので困ってしまいます。

映画冒頭5分で主人公の一人である恒松祐里演じる中学生「中村ナズナ」が自転車で坂を下っていくシーンがあるのですが、なぜかそのシーンで泣きそうになるという(笑)悲しいシーンでも何でもなく、ただ坂を下っているだけのシーンなのになぜなんだ。

美しい海を背景に自転車で坂を下っていくシーンなんてまさに理想的な青春シーンそのもの。様々な映画やドラマで描かれすぎているシーンですが私はこういうベタに弱いんだよなー。

ベタなシーンのてんこ盛り。だがそれがいい!

そうなんです。この映画とにかくベタなシーンがてんこもり。青春映画のベタなシーンあり、少女漫画みたいなベタなシーンあり、主人公が抱えるトラウマもベタだし、はじめからおわりまで「ベタなシーン」のオンパレード。

原作ありきの映画なのであれですが、「このシーン見たことある」「この設定見たことある」と何度もデジャビュ感に襲われました

だが、それがいい。

ベタなシーンとはつまり他の作品でも何度も使いまわされているからベタになるわけですが、使いまわされているということはそれだけその「ベタ」が大衆に支持されている証拠でもあるわけです。

そしてその何度も見たことがあるようなベタなシーンであろうとも演出や映し方、役者の演技によっていかようにもいい方向に昇華させることはできるはず。

この映画は多大なベタなシーンを盛り込みながらも、そのシーンが嫌味なく綺麗に収まっている点で非常に好印象でした。

登場人物ひとりひとりの心理描写も丁寧なのでベタなシーンでもそこまで嫌味を感じさせません。

ただ一点。

主人公(新垣結衣さん演じる教師)のトラウマの理由があまりにもありきたりだしリアリティがない。これはベタというより安易。こういうのをトラウマの理由として使うとドラマが急に安っぽく感じてしまいます。

豊かな自然に癒される

冒頭シーンもそうですが、物語全般をとして五島列島の自然の豊かさに見ているだけで癒されます。
そういう意味ではヒーリングムービーの要素があるかも。

豊かな大自然と青春はそれだけで絵になりますね。

青春時代の煌きは一瞬のもの

青春映画が素晴らしいのは、二度と戻ることは出来ないその一瞬の煌めきを写しているからだと思います。

学生が悩み苦しみながらも問題を乗り越えて成長していくシーンは、やっぱり美しい。

今の子役って演技が上手いから自然と感情移入しちゃうんですよね。

見ている間「こんな青春時代送りたかったなぁ」とか「自分にもこんな学生時代が合ったんだなぁ」とか思いつつ、主人公の悩みや苦しみに共に寄り添い、共に乗り越えていく気分になりました。心がじんわりします。

そう意味で主人公の一人である中学生「中村ナズナ」さんもそうですが「桑原くん」がとてもいい。

桑原くんは発達障害の兄を持つ持つどこか気弱で頼りない少年なのですが、間違いなくこの映画の中で最も成熟しているのは彼でしょう。あの年の少年があそこまで自分の運命を受け入れられるかは別として、彼が15年後の自分に書いた手紙の内容が心に刺さります。この映画の白眉は間違いなく彼だと思う。

一つだけ納得出来ないシーン

全体的に感動した映画で、見終わった後の後味も最高にいいのですが、一点だけ「納得出来ない」シーンがありました。

ネタバレにならない程度にしゃべりますが中盤の桑原くんとお母さんのシーンで、いつも謝ってばかりいる桑原くんに対し母親が「ごめんなさいより、ありがとうでしょ」みたいなことをいう台詞があるのですが、このシーンだけはどうしても納得出来ん。というか心からそれは違うと思ってしまう。

中学生の少年にたくさんの重荷を背負わせて、色々なことを我慢させておいて、なんであんなに恩着せがましい物言いがあの母親はできるのだろう。

感動シーンみたいに撮っていましたが、あんなのただのホラーシーンっすわ。

母親が桑原くんに対して「いつもごめんね。ありがとう」って言うのならいい。でも「ごめんなさいより、ありがとうでしょ」ってそれはない。それはないよ。あなたが桑原くんに「ありがとう」って言いなさいよ逆に。

だってこの先桑原くんはあることをずっと背負っていくんですよ。そして彼はそれを覚悟している。めちゃくちゃ健気で、めちゃくちゃいい子なわけですよ。

だからこそあのシーンはどうしても納得できーん。

って映画を見てない人には何もわからない話をしてしまった。

挫折と再生の物語

この映画は一言で表すなら「挫折と再生の物語」でしょうか。

学生時代って一瞬一瞬が宝物であり、青春です。そんな学生時代の宝物様な一瞬を優しい視点で綴ったまさに成長ムービー。

ストーリーはベタだと書きましたが、意外と伏線がしっかり貼ってあるので、最後まで飽きずに楽しむことが出来ますし、新垣さんの演技も子役の演技も皆さん上手いので自然と心に入ってきます。

スタッフロールでは誰も立ち上がらなかった

エンディングのスタッフロールではこの作品のモチーフであるアンジェラアキさんの「手紙」が流れるのですが、普通何人かはスタッフロールのときって席をたつものですよね。この映画では誰一人席を立ちませんでした。皆「手紙」をききながら静かな余韻に浸っている感じ。

スタッフロールで誰も席を立たない映画は「いい映画」の一つの証拠でもあると思います。

私は4回泣きました。

私の隣に座っている人なんてボックスティッシュ持ってきて号泣していました(笑)

見終わった後は五島列島に行きたくなりますよ。
オススメです。

くちびるに歌を

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コメント

コメント一覧 (2件)

    • コメントありがとうございます。

      仰るとおりナズナでした(汗)大変失礼いたしました。
      記事を訂正しておきます。

      教えてくださってありがとうございました!

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